先日お知らせ致しました通り,全国教室ディベート連盟関東甲信越支部では、
2006年9月18日に「決勝戦解説講座」を開催しました。
ジャッジと参加者の皆さんのフリーディスカッション、判定理由を文章にして説明するバロットシートなど、新しい試みを行ないました。
(詳細は、以下の「続きを読む」をクリックしてください。)
トピック
・講座内容
・今回の新しい試み
・月1回イベント開催計画、実行中
◎講座内容
今回は、以下のような内容で講座が行なわれました。1、今年の全国決勝戦を観戦→判定を出す
2、ジャッジによる判定・コメント
3、フリーディスカッション・質疑応答
以下、それぞれの模様をご紹介します。
◆1 今年の全国決勝戦を観戦→判定を出す
今年の全国大会決勝戦(肯定側:会津高校 vs 否定側:創価高校)のビデオを全員に見ていただき、 フローシートを書き取って、判定を出していただきました。その後、判定理由書(バロットシート)を書いていただきました。
◆2 ジャッジによる判定・コメント
ゲストのジャッジ3名の方々に、判定スピーチと、簡単なコメントを頂きました。
また、参加者の皆さんのうち何人かには、判定の理由をスピーチしていただきました。
◆3 フリーディスカッション・質疑応答
今回観戦した試合を参考に、より良い議論、より良いディベートを行なうにはどうしたらよいか、等の ことについて、フリーディスカッションを行ないました。★フリーディスカッションの内容を,少しだけご紹介します。
※フリーディスカッションの内容は、全国教室ディベート連盟の公式見解ではありません。あらかじめご了承ください。 ◆コミュニケーションの問題◆資料のサインポスティングの問題
・「高橋さんの資料を見て下さい!」 →ジャッジは著者まで書いてない可能性がある。
・(決勝では)肯定側立論、著者名、出版年、などの順番がバラバラなので、統一するだけでも
かなり良くなる。
・最初に1行、クレーム(見出し)を付けた方がよい。「現状分析、1,2・・・」ではなく、「現状はこうなっています。・・・」というふうに、最初に1行、内容の説明をすべき。以後の内容が予測しやすくなる。
◆◆立論の構成について◆◆
★立論の問題
・抽象的にまとめすぎているのではないか?「住民のニーズが反映できます」だけではわかりにくい。それが良いんだ、それが何故良いのか、を説明できるようにした方が良い。
★重要性・深刻性
・哲学的に答えの出ない問題がある。
「自己決定すべきだ。」vs「失敗するのが明らかなら止めてあげた方がよい」
↑このような対立は、いろんな論題ででる。首相公選制でもでるし、タバコ禁止論題でも。
・今回の試合では、本当に自己決定できているのか?が問題になっている。 社会的弱者が、他人の決定によって不利益を受けるのだとしたら、それは自己決定ではなのではないか →自己決定しているのは誰か?これは本当に自己決定になっているのか? ・↑こういう分野の話は 応用倫理学 加藤 尚武(かとう ひさたけ) さんの本は新書で読みやすい。 ↑安楽死、炭素税の時には著書が引用されたりしていた。医療、環境の話が多い。 ・ジョン=ロールズ 正義論 少数の弱者を苦しめるなら、大多数の強者が幸せになっても、その政策は不正義、 正当化されないのではないか。 ・不利益を受けるのは誰か?弱者は誰か? [Who?]を明らかに。それは誰?どんな人?といわれたときに説明できるように。 ここで言う弱者とは誰か?などを明確に。 ★上手い重要性、深刻性の作り方 ・抽象的なものと、具体的なものの2つが備わっていると良い。 発生過程を何通りか作るように、いくつかの側面から語るとよい。
以上、少しだけご紹介いたしました。(このような話をもっとしたい!とお思いの方は、次の機会には是非、起こし下さい。)
◎今回の新たな試み
また今回は、様々な新たな試みを行ないました。 1、ジャッジと高校生のフリーディスカッション2、判定理由書(バロットシート)の記入
3、フローシートのライブ中継・振り返り
4、各種記録と公開
◆1、ジャッジと高校生のフリーディスカッション
ジャッジの方々と、参加者の皆さんの間で、フリーディスカッションを行ないました。
より良い立論の構成、分かりやすい話し方、重要性、深刻性の組み立て方、などについて、
様々な議論が交わされました。
◆2、判定理由書(バロットシート)の記入
・今回、ジャッジおよび参加者の皆様に、試合の判定を出して頂き、その理由を書いていただきました。 これは、公正な判定を出す訓練を行なって頂くのと同時に、今後の練習試合や大会での、ジャッジから選手へのあたらしいフィードバック方法の検討でもありました。今回はいきなり書いていただきましたが、肯定的な意見も頂いた反面、時間が忙しすぎる、書き方が良く分からない、などのコメントも頂きました。今後の参考にさせていただきます。◆3、フローシートのライブ中継・振り返り
パソコンに接続したカメラを用いて、フローシートをスクリーンに映し出しました。 1スピーチ終わるごとに、フローシートを映し出して、どんな内容だったか、フローを見ながら振り返りました。今回はディベート経験者の方ばかりでしたが、初心者の方に対するフォローとして、今後活用できそうです。◆4、各種記録と公開
今回からは、デジカメで講座の模様を撮影し、このようにHPでお知らせして行く予定です。(ただし、写真は原則として解像度を落とし、顔が分からないように配慮致します。) 今回は残念ながら参加者があまりいらっしゃらなかったので、これからは積極的に宣伝していきます。 次回からは、より多くの皆様のご参加を、お待ちしております。 (なお、会場では、試験的に録音・録画を行ないましたが、現在までのところ、公開の予定はありません。あしからず。)
◎月1回イベント開催計画、実行中!
ただいま、全国教室ディベート連盟関東甲信越支部では、
「月1回、なにかイベントを行なう」という計画を実行中です。
これからも、毎月、たくさんの皆様のためになる講座などを開催していく予定ですので、
是非、次回からは、積極的にご参加ください。お待ちしております。
イベントの情報は、このHPのほか、メールマガジン、メーリングリストなどでもお知らせしていきます。
ご期待ください。
※メールマガジン・メーリングリストのご登録がお済みでない方は、この機会に是非ご登録ください。
こちらからどうぞ。
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・なお、お問い合わせ・今後の講座内容のご要望などは、以下のアドレスまで、お気軽にお送りください。